「ロタウイルス感染症」の予防接種が無料化 2020年10月より開始

 10月1日から乳幼児に多いロタウイルス感染症の予防接種が定期接種(無料)となる。

 厚生労働省によると、ワクチンの接種でロタウイルス胃腸炎による入院患者を約70~90%減らすことができたという報告があることから、生後14週6日までに初回接種を行うよう呼び掛けている。

ロタウイルスワクチンの初回接種は「生後6週~生後14週6日までの間」

 国立感染症研究所によると、ロタウイルスは乳幼児の重症急性胃腸炎の主要な原因病原体で、ロタウイルス感染症による5歳未満の死亡者は、発展途上国を中心に世界で約50万人いるとされている。

 一方、ロタウイルスの感染力が非常に強いことから、衛生状態の良い先進国でも感染予防は難しい。そのため生後6カ月から2歳をピークに、5歳までに世界中のほぼすべての子どもがロタウイルスに感染し、胃腸炎を発症するという。

 国内ではロタウイルスによる死亡者はまれだが、感染者数は非常に多く、小児感染症の中でも重要な病原体の一つと捉えられている。

 厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会で検討を経て、今年1月に公布された予防接種法施行令の一部を改正する政令などにより、10月1日から定期の予防接種対象疾病にロタウイルス感染症が追加された。これまでは任意接種(自費)で、医療機関で総額2~3万円程度かかっていたものが10月1月以降、対象者は無料となる。

 ワクチンは3回接種の「ロタテックⓇ」と2回接種の「ロタテックスⓇ」があり、同様の効果が得られるが同じワクチンで決められた回数を接種することが必要となる。いずれも経口ワクチン。これにより生後2カ月で接種するワクチンはB型肝炎ワクチン、小児肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチン、ロタウイルスワクチンの4種類に増える。



 初回接種は生後6週から生後14週6日までに行い、2回目以降は27日以上の間隔をあけることが推奨されている。接種後1~2週間は腸重積症のリスクが通常より高まると報告されているため、経過観察をするよう呼び掛けている。