従業員のいる飲食店は屋内禁煙に~東京都・受動喫煙防止条例の骨子案

 東京都は4月20日、東京都受動喫煙防止条例(仮称)の骨子案をとりまとめ、公表した。今年6月の都議会に条例案を提出したあと、可決された場合は条例の一部施行と体制整備を行い、2020年には罰則適用も含めた全面施行を目指していく。

 東京都は平成16年に「東京都受動喫煙防止ガイドライン」を策定し、公共の場などでの受動喫煙防止対策を推進してきた。国の調査では非喫煙者のうち3割を超える人が、飲食店や職場などで受動喫煙にあったことがあると回答しており、国も受動喫煙対策に力を入れている。

 一方、オリンピックとパラリンピックの開催都市は、たばこの煙がない「スモーク フリー」の環境整を行うことが常識となっている。これらのことから東京都では、独自に「東京都受動喫煙防止条例(仮称)」を定めることを検討してきた。

 骨子案によると、同条例の制定目的は、「屋内での受動喫煙による健康影響を未然に防止し、誰もが快適に過ごせる街を実現する」ことで、「人」に着目した対策である、と強調。特に、受動喫煙を防ぎにくい立場である従業員や、健康影響を受けやすい未成年を守ることを目的としている。

 そのため骨子案では、従業員のいる飲食店では原則屋内禁煙とし、喫煙専用室でのみ喫煙が認められる、とした。対象は都内全店舗の約84%。客席面積100㎡以下で、個人または中小企業(資本金5000万円以下)が経営しており、従業員のいない店舗に限っては、店内を禁煙にするか喫煙にするかを選択できる。違反した喫煙者や施設管理者には罰則(5万円以下の過料)が科される。

 また、幼稚園、保育所、小学校、中学校、高等学校では敷地内禁煙とし、屋外の喫煙場所も設置は不可とした。加熱式たばこについては規制対象とするが、健康影響が明らかになるまでは行政処分や罰則は適用しないという。

東京都受動喫煙防止条例(仮称)

記事提供:日本医療・健康情報研究所