10月17日~23日は「薬と健康の週間」-ポリファーマシー解消などを啓発 若年層を中心にオーバードーズも社会問題化
厚生労働省は10月17から23日まで、令和5年度「薬と健康の週間」を実施する。週間中は医薬品の適正使用や薬剤師が果たす役割の大切さを積極的にPRするもの。
厚生労働省のほか都道府県、日本薬剤師会・都道府県薬剤師会が主催して毎年、この時期に実施され、全国各地で薬と健康に関するイベントやキャンペーンなどが展開される。
複数の疾患で受診する医療機関が増え、多くの薬を服用することで副作用を起こしたり、適正に薬が飲めなくなっている状態を「ポリファーマシー」と呼んでいる。
全国の保険薬局における処方調査によると、65〜74歳の3割、75歳以上の4割が5種類以上の薬を使っている。また一般病院の外来で慢性疾患を治療中の65歳以上の患者は、約1/3の割合で一般医薬品やサプリメントを定期的に使用しており、そのうちその情報を医師に伝えていたのは約3割に過ぎなかった、という報告もある。
高齢者では使っている薬が6種類以上になると副作用を起こす人が増える、というデータもあることから、高齢化社会の進展によりポリファーマシーの解消や重複投薬防止の啓発はより重要になっている。
近年は若年層を中心とした市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)も社会問題化しており、医薬品の適正使用推進が求められている。
そのため同週間に合わせて、厚生労働省や日本薬剤師会は広報を強化。都道府県/地域薬剤師会ではそれぞれ講演会やイベント、キャンペーンなどを実施する。
「薬と健康の週間」薬剤師や薬局は調剤だけではなく、薬の飲み合わせや残薬の取り扱い、服用をやめるタイミングといった相談にのるほか、地域住民の健康をサポートする存在であることも周知。かかりつけ薬剤師や薬局を持つメリットについてもPRする。かかりつけ薬剤師・薬局については日本薬剤師会が公開している普及啓発動画も参考となる。
厚生労働省:令和5年度「薬と健康の週間」(10/17~23)の実施について
日本薬剤師会:地域住民・患者さん向け「かかりつけ薬剤師・薬局」とは
高齢者の医薬品適正使用の指針(厚生労働省)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
[日本医療・健康情報研究所]Copyright@2023 Soshinsha.