初の出生数100万人割れで過去最少 厚労省・人口動態統計月報年計
厚生労働省はこのほど、平成28年人口動態統計の月報年計(概数)の結果を取りまとめ、公表した。出生数は97万6,979人で前年に比べて2万8,698人の減少。100万人を下回るのは、明治32年(1899年)の統計開始以来、初めて。
人口動態調査は、日本の人口動態事象を把握し、人口と厚生労働行政施策の基礎資料を得ることを目的としている。調査期間は平成28年1月1日から12月31日までで、戸籍法や死産の届け出に関する規定で届けられた出生、死亡、婚姻、離婚および死産の全数を対象としている。
今回公表された結果によると、合計特殊出生率は1.44で、前年の1.45より低下。年齢別(5階級)では、最も合計特殊出生率が高いのは30から34歳だった。都道府県別に見ると、沖縄県(1.95)、島根県(1.75)、長崎県(1.71)、宮崎県(1.71)の順に高い一方、東京(1.24)、北海道(1.29)、宮城県(1.34)、京都府(1.34)が低かった。
出生数の年次推移を母の年齢によって5歳階級別に見ると、39歳以下は軒並み減少しているが、40歳から44歳は約5万3,000人、45歳以上は約1,400人と前年より増加した。第1子出生児の母の平均年齢は30.7歳で、年々、上昇傾向にある。
一方、死亡数は130万7,765人で、前年より1万7,321人増加。死因別では悪性新生物が最も多く、死亡者のおよそ3.5人に1人が該当する。悪性新生物ができた部位別で見ると男性は「肺」が最も高く、女性は「大腸」と「肺」が高い。次いで心疾患も増加傾向が続いており、平成28年の全死亡者数に占める割合は15.1%、さらに肺炎も同9.1%と続いている。
出生数と死亡数の差である自然増減数は、33万786人減少。人口増減数が増加した都道府県は沖縄県の4,910人のみだった。
記事提供:日本医療・健康情報研究所