未規制物質への対応などを強化~第五次薬物乱用防止五か年戦略

 厚生労働省はこのほど、薬物乱用対策推進会議において「第五次薬物乱用防止五か年戦略」を策定した。海外からの大密輸やインターネットを利用した密売事犯への対策を強化するとともに、未規制物質への対応などにも着手する。

 「薬物乱用防止五か年戦略」は平成10年から、これまで4度にわたって策定されてきた。取り組みの結果、第三次覚醒剤乱用期のピーク時と言われる平成9年には約2万人だった覚醒剤事犯での検挙人員は平成29年には約1万人と半数近くまで減少。未成年者の検挙人員は平成29年には93人となり、平成9年から90%以上減少している。また危険ドラッグの乱用根絶についても対策を講じた結果、平成26年3月に215店舗あった販売店舗は翌年7月に全滅したとされている。

 一方で平成29年でも依然として1万人を超える検挙人員で推移していることや、大量の覚醒剤密輸事犯の摘発が頻発。大麻においては平成29年に過去最多の約3200人が検挙され、そのうち約半数が青少年だった。インターネットなどで「大麻に有害性はない」との誤った情報が氾濫していることも、青少年の大麻乱用の拡大につながっていると推測されている。また匿名性の高いインターネットを利用した薬物密売が横行するなど、購入方法の潜在化・巧妙化が進行しているのも懸念されている。

 このような事態を踏まえ策定された「第五次薬物乱用防止五か年戦略」では、密輸対策や、巧妙化・潜在化する密売事犯への対策を特に強化。また新しく、日本で規制されていない薬物や使用形態が変化した薬物への対応、向精神薬を悪用した凶悪事件発生防止のための監視や取り締まりについても対策を盛り込んでいる。

 このうち「未規制物質・使用形態の変化した薬物への対応の強化」については、海外で流通している製品の国内での乱用を防ぐため情報をいち早く入手し、状況に応じて迅速な規制を設ける。また海外渡航者に対して「我が国と海外との薬物乱用状況の違いを踏まえ、渡航先における注意喚起を強化する必要がある」としている。

 また第四次戦略のフォローアップとして、小学校~高校における薬物乱用防止教室の開催率向上や広報啓発活動の強化など対策を取りまとめた。

報道発表:「第五次薬物乱用防止五か年戦略」を策定しました(厚生労働省)

記事提供:日本医療・健康情報研究所