【新型コロナ】モデルナの新型コロナワクチンの接種1ヵ月後追跡調査 87%がワクチン接種に満足「身近な人にも接種を勧める」
局所反応・全身反応は、ともに1週間以内にほとんど(99%程度)消失しており、副反応の重さにもかかわらず、87%の人がワクチン接種について満足していることが示された。
また、80%が「自身の身近な人にもワクチン接種を勧める」「3回目接種を希望する」と回答した。
岡山大学では、新型コロナに対するワクチン接種について一般向けに正確な情報提供を行うために、大学拠点接種として同大学で行った武田/モデルナの新型コロナワクチン接種の1ヵ月後調査を2021年9月29日~10月25日に実施した。調査には、同大学教職員および学生の合計3,447名が回答した。
接種後の副反応については、局所反応・全身反応共に約99%が1週間以内に消失したが、その一方で、接種との関連は不明ながら、自由記述欄の記載では接種1ヵ月後も不調を訴えている人がごく少数存在しており、長期的なケアの必要性が示唆された。
副反応としての発熱に対して、解熱剤を服薬した人は66%を占めたが、予防投薬を行った人は5%程度にとどまった。
接種1ヵ月後の副反応についての感想として、インフルエンザワクチンと比べて副反応が重かったと感じた人が85%を占めた。一方で、想像していたより重かったと感じた人は43%と、副反応の重さがある程度周知されていたことが示唆された。
また、副反応の重さにもかかわらず、87%の人がワクチン接種について満足しており、「自身の身近な人にもワクチン接種を勧める」と回答した人が80%、「3回目接種の有効性が証明された場合に接種を希望する」と答えた人は83%を占めた。
しかし、ワクチンを勧めたり、3回目の接種を希望したりする際に、ワクチンの種類を検討すると答えた人も4分の1程度みられた。
接種後1ヵ月間の副反応(局所反応)
接種後1ヵ月間の副反応(全身反応)
接種後1ヵ月間の副反応(全身反応)
研究は、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 疫学・衛生学分野の頼藤貴志教授らによるもの。
「ワクチンには副反応がありますが、大体の症状は接種翌日、翌々日には落ち着き、99%程度の方は1週間以内にすべての症状が消失しています。副反応の重さにもかかわらず、多くの方が満足されている傾向にはありました。接種を考える際の判断や準備の参考にしていただけますと幸いです」と、頼藤教授は述べている。
なお、厚生労働省の研究班でも副反応調査が行われているが、その対象者は男性数が多く幅広い年代にわたっている自衛隊職員が対象であり、接種10日後までに出現した副反応を報告している。
今回の調査は、対象が男女半々で若い人が多く含まれており、また接種1ヵ月後までの長期的な副反応について調査していることから、厚労省の研究班の知見と相補的に働くとしている。
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野
岡山県の依頼を受け、県内の5医療機関で協力し実施したファイザーの新型コロナワクチンの副反応調査の最終報告も掲載されている。