今夏の熱中症による救急搬送人員は95,000人、昨年度に比べて大幅増加

 総務省消防庁はこのほど、平成30年5月~9月における「熱中症による救急搬送状況」を取りまとめ、公表した。

 平成30年の全国の熱中症による救急搬送人員数の累計は約95,000人で、昨年同期間と比べると約42,000人増加。

 初診時の確認において、熱中症により死亡した人も160人と、昨年同期間の48人より大幅に増えている。

 平成30年は東日本と西日本は記録的な高温となったこともあり、熱中症による救急搬送人員数、死亡者数は前年に比べて大幅に増加した。

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出典:総務省消防庁「平成30年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」

 月ごとの集計では7月が約54,000人、8月が約30,000人。週ごとの比較では、7月16日~22日が約23,000人と最多。

 年齢区分別の救急搬送人員数は満65歳以上の高齢者が最も多く、約46,000人で全体の48%を占めた。次いで成人(満18歳以上 満65歳未満)の約35,000人(37%)、少年(満7歳以上18歳未満)の約13,000人(14%)、乳幼児(生後28日以上満7歳未満)の約1,000人(1%)と続く。

初診時死亡人数も昨年度比較で大幅増

 初診時の傷病程度は、入院加療を必要としない「軽症」が最も多く、全体の65%。また、傷病の程度が重症または軽症以外で入院診療を行う「中等症」は32%で、軽症と中等症で全体の97%を占める。

 一方、3週間以上の長期入院を必要とする「重症」は約2,000人(2.2%)、初診時に死亡が確認されたのは160人(0.2%)と、全体から見た割合は低いが、昨年度に比べると人数は大幅に増加している。

 発生場所ごとで比べると「住居」が最も多く、次いで道路、公衆(屋外:不特定者が出入りする場所の屋外部分)、仕事場①(道路工事現場、工場、作業所等)の順だった。

 都道府県別の救急搬送人員数で最も多いのは東京都で約7,800人。一方、人口10万人あたりの救急搬送人員数で比べると岡山県が最も多く、群馬県、岐阜県、奈良県、三重県と続いた。

報道資料「平成30年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」(総務省消防庁)