大阪市が4歳児訪問事業を開始―ネウボラの一環、切れ目ない支援

 大阪市は令和2年度から「大阪市版ネウボラ」の取り組みの一環で「4歳児訪問事業」を開始する。

 全ての4歳児を対象に保健師などが健康教育や子育て相談、絵本配布などを行うもので、3歳児健診から就学時健康診断(5歳児)までの状況を把握し、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援の充実を図る。

「4歳児訪問事業」で切れ目のない状況把握が可能に

 大阪市は平成31年度から、地区担当保健師との顔の見える関係づくりや家族ぐるみの支援を継続的に実施する「大阪市版ネウボラ」を開始。

 この取り組みをさらに強化するため、集団全体に働きかける「ポピュレーションアプローチ」で令和2年度から「4歳児訪問事業」を展開することとした。

 4歳児は、<3歳児健診から5歳児の就学時健診まで>の空白期にあたる。そのため保育所や幼稚園などへ通っていない未就園児には保健師などが各家庭を訪問。

 就学前までに必要な生活習慣について健康教育や子育て相談などを行ったり、絵本を配布したりする。必要に応じて継続的に支援し、区役所が育児や子育てに関して相談できる場所であることの再周知も行う。


 また、保育所や幼稚園等に通園している児童には、保健師が各園を訪問して同様の事業を展開するとともに保育所や幼稚園との連携強化も図る。このうち長期で休んでいるなど気にかかる園児や家庭があった場合は、状況に応じて家庭を訪問して必要な支援につなげる。

 段階的に専門性を身に付けた保健師を配置していく予定で令和2年度は本務職員10人、会計年度任用職員14人で担当する。予算額は1億1300万円。4歳で把握できない市内転入者などには5歳にも同様に実施するという。