夏の食中毒をこうして防ぐ 食中毒などの食品事故を防ぐために何が必要? 夏の食中毒アラート
夏は気温が高く、細菌による食中毒が発生しやすい季節だ。
感染者が増えている新型コロナも気がかりだが、今年の夏も記録的な高温になっており、7月から9月にかけて増える食中毒にも注意が必要となる。
東京農業大学の食品安全研究センターは、この夏に気をつけたい食中毒について、動画で提言の公開をはじめた。
夏場に増える食中毒に注意が必要
昨年の夏は、統計史上もっとも気温が高くなったが、今年も日本最高記録に迫る暑さが各地で観測されている。
感染者が増えている新型コロナも気がかりだが、7月から9月にかけて増える食中毒にも注意が必要だ。東京都だけでも、2024年の7月の時点で70件超の食中毒が発生している。
食中毒の原因として、細菌、ウイルス、自然毒、化学物質、寄生虫などさまざまなものがあり、食べてから症状が出るまでの期間やその症状、また予防方法も異なる。
夏場の食中毒の原因として多いのは、暑い季節に増えやすいカンピロバクターやサルモネラといった細菌だ。
厚生労働省は、食品等事業者や、学校などの集団給食施設に対して、HACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた衛生管理を推奨している。
食中毒の約60%は、飲食店で発生している。飲食店向けには、HACCPの考え方を導入し、▼手洗い、▼清掃、▼従業員の健康管理などの一般衛生管理に関する取り組みと、▼メニューに応じた管理方法を定めた衛生管理計画を作成し、▼実行し、▼記録・確認することで、衛生管理を”見える化”することを勧めている。
この夏に気をつけたい食中毒 「夏の食中毒アラート」を公開
東京農業大学の食品安全研究センターでセンター長を務める五十君靜信氏は、この夏に気をつけたい食中毒について、5編にわたる動画で提言を公表している。
「夏のアクティビティには食中毒の危険が潜んでいます。より正確な食品安全のための知識がいま求められています」としている。
動画の主な内容は次の通り――
- 国内の死亡例では植物の誤食が重要!
- 夏の海に潜む危険とは!?
- カレーを危険な状態にする”ある条件”とは!?
- 屋外でする流しそうめんは危険!?
- 黄色ブドウ球菌は人の中にいる!?
- 国内では認知度の低い、死亡率20%の危険な食中毒とは!?
- 貝毒の危険性は地球温暖化により上昇する!?
「食中毒は、飲食店での食事が原因と思われがちですが、家庭の食事でも発生しています。ふだん、当たり前にしていることが、思わぬ食中毒を引き起こすこともあります。食中毒などの食品による事故の防止をはかることが大切です」と、同センターでは述べている。
食中毒 (厚生労働省)
食品等事業者の衛生管理に関する情報 (厚生労働省)
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理 (厚生労働省)
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書 (厚生労働省)
食中毒予防の原則と6つのポイント (政府広報オンライン)
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