東京都が福祉保健基礎調査「東京の子どもと家庭」(速報版)を公表

 東京都はこのほど、平成29年度東京都福祉保健基礎調査「東京の子供と家庭」の主な調査結果を速報としてとりまとめた。両親の就労状況や未就学児の育児支援などについて実態を明らかにし、子供家庭福祉施策の充実につなげていく考え。

大多数が核家族、育児のほかに介護を担う世帯も

 調査は東京都内に居住し、子どもを養育している世帯の生活実態や子育て状況を明らかにするのを目的に、5年ごとに実施されている。

 「子育て世帯の状況」について調べた調査の回答者は、父母ともに「40~44歳」が最多。家族類型は「親と子」の割合が92.9%で、大多数が核家族であることが分かる。世帯の子どもの人数は「2人」が44.9%で最も多く、次いで「1人」が41.2%だった。

 子ども以外の親族で疾病や障害、認知症などの理由で介護や世話、見守りが必要な人が「いる」と答えた世帯の割合は8.7%(経済的な援助やケアマネジャーとの連絡調整など間接的な援助も含む)。「経済的援助をしている」のは父、「中心となって介護や世話、見守りをしている」のは母の方が多いという傾向が見られた。

 また両親世帯のうち共働きである割合は61.5%で、24年度調査に比べて7.7ポイント増加。「父のみ働いている」と回答した割合は33.8%で、10.1ポイント減少した。

子どもや家族の病気時の預け先に苦慮

 就学前の子どもがいる世帯について尋ねた調査では、平日の日中、65.2%の世帯で幼稚園や保育所に子どもを通園させたり預けたりしていた。子どもを預けていて困ることや不満に思うことについては「子どもが病気のときに利用できない」の割合が36.3%で最も高く、次いで「費用が高い」、「夜間や休日に利用できない」などだった。

 子育て支援サービスの利用の有無については、利用したことが「ある」施設は「子育てひろば(保育所・児童館等)」が最も高く69.9%。一方、「赤ちゃん・ふらっと」は40.1%が「知らなかった」と答えた。また、あればよいと思う在宅支援サービスでは「親や家族の病気などの緊急時に預かってくれる」が53.5%で最多。

 小学生が放課後、主にどこで過ごしているかの調査では「自宅」が48.4%で最も高く、次いで「学童クラブ」(16.4%)、「塾や習い事(地域のスポーツクラブを含む)」(13・8%)だった。

父親の育児休業制度利用率は微増

 父母の子育てに関する意識調査によると、父親が育児休業制度を利用したことが「ある」割合は4.8%。以前、低いものの前回調査よりは3.3ポイント増加している。

 一方、育児休業を実際に取得した父親も、過半数は自分が取りたいと思う期間で取得できなかったと回答。その理由は、「職場全体として、長期間の育児休業を取りづらい雰囲気だから」と「早く職場に復帰しないと家計が苦しいから」の割合が高かった。

 ほかにも、ひとり親世帯の状況や、地域での子育ての状況、夫婦の家事・育児分担などについて調査が行われており、結果はホームページで閲覧できる。

『東京の子供と家庭』の結果(速報)~平成29年度東京都福祉保健基礎調査~

記事提供:日本医療・健康情報研究所