環境省が熱中症環境保健マニュアルを改訂~夏季イベント時の対策を追加
環境省はこのほど、熱中症の正しい知識を伝え、適切な予防や処置に役立ててもらおうと「熱中症環境保健マニュアル2018」を作成、公開した。従来のマニュアルに最新の知見を加えて改訂したもの。保健師などの保健活動で指導に役立ててもらうだけではなく、一般市民にも熱中症についての科学的知見や関連情報を知ってもらうのが目的。
熱中症は高温環境下での労働や運動活動を中心に発生していたが、近年はヒートアイランド現象や地球温暖化の影響で、日常生活でも発生が増加。平成29年は5月から9月までに約5万3000人が熱中症で救急搬送されている。
特に高齢者や小児・幼児は熱中症リスクが高く、注意が必要とされる。そのため従来の「熱中症環境保健マニュアル」を改訂し、広く熱中症対策について普及・啓発を図ることとしたという。
マニュアルは、「熱中症とは何か」、「熱中症になったときは」など4章に分けて解説。第4章「保健指導のポイント」では高温環境への理解をうながし、具体的な保健指導の留意事項について分かりやすくまとめている。
2018年版で改訂された内容としては、お祭りや花火大会、音楽・スポーツなど夏季イベントにおける熱中症対策や保健指導に関する情報を追加。
たとえばイベント会場での救護所設置方法、また、混雑を緩和するなど、熱中症の発生しやすい環境を避ける運営上の工夫などを紹介している。
また夏季のイベントにおける保健指導として、参加者への熱中症予防対策の事前呼びかけ、当日会場での暑さ指数(WGBT)の周知などを具体的に紹介。イベントのスタッフに対する配慮についても言及し、どのような点に注意し、対策を採れば良いかを解説している。
環境省報道発表:「熱中症環境保健マニュアル」の改訂について
熱中症環境保健マニュアル2018
記事提供:日本医療・健康情報研究所